くまバーグ作『就寝前の一勝負』
「最初はグー、ジャンケンポン!」
我が家の寝室は、6畳の和室に布団が二組。
そして、部屋の壁には照明のスイッチ。
照明を消すためには、布団から立ち上がって消すしかない。
寝たまま消せるヒモは無い。
二つの布団の中央にあるスイッチ。近い遠いの言い訳は出来ない。
照明を消す、その僅かな労力をめぐって繰り広げられる真剣勝負。
勝者は布団に横になったまま、
その余韻に浸りながら心地良い睡眠を得られるが、
敗者は、ジャンケンに負けた悔しさをかみ締めながら、
起き上がって照明を消し、イジケながら再度布団に入る。
でも、そこからが勝者の仕事。
「ありがとう」の一言と一緒に、
隣の布団に転がり込み、ギュッと抱きしめる。
和室に隙間無く並んだ布団は、
隣の布団への侵入も容易にしてくれる。
侵入のきっかけを与えてくれる、就寝前の一勝負。
そして今夜も、勝負の掛け声が寝室に響き渡る。














